潜在・日本・必然――寺田寅彦のナショナリズム――

潜在・日本・必然――寺田寅彦のナショナリズム――

状態 完成
最終更新日 2014年12月02日
ページ数 PDF:20ページ
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内容紹介

拙稿「ディテール・プロバビリティ・モンタージュ」(http://p.booklog.jp/book/79497)では、寺田寅彦のテクストの統一的テーマを偶然性として見出した。そのアスペクトのひとつ「モンタージュ」は俳諧の本質的方法として見出されていた。本稿ではそのモンタージュ的と呼ばれる俳諧論に、フロイト受容の徴である「潜在」の発想を読み、そこから寺田の「日本」的風土の問題と、その延長線で出てくる俳諧の真の姿であるところの「必然」の概念の検討を行う。偶然の芸術論が真の効果を発揮するには、偶然性とは相反する必然性が要求される。この逆説を「民族」や「国民」といったナショナルな単位との結びつきのなかで考えることで、拙稿の続編として論述する。

【目次】
序、寺田寅彦の偶然論復習
一、フロイトの「潜在」構造とモンタージュ論
二、偶然論と両立する「必然」
三、社会主義批判
四、俳諧と「日本」的風土
五、新興俳句運動批判
六、開放的なナショナリズムを支える概念連鎖
七、「黴菌」に対する危機感


【略年譜】
昭和4(1929)年 翌年までフロイト・ブームが起こる。
昭和6(1931)年 「連句雑俎」、『渋柿』、3~12月。「カメラを掲げて」、『大阪朝日新聞』、11月。
昭和7(1932)年 「天文と俳句」、『俳句講座』第七巻、改造社、8月。「俳諧の本質的概論」、『俳句講座』第三巻、改造社、11月。「札幌まで」、『鉄塔』、11月。
昭和8(1933)年 「KからQまで」、『文芸評論』、10月。
昭和10(1935)年 「俳句の精神」、『俳句作法講座』第二巻、改造社、10月。「日本人の自然観」、『岩波講座 東洋思潮』、岩波書店、10月。12月31日、死去。

目次
序、寺田寅彦の偶然論復習
一、フロイトの「潜在」構造とモンタージュ論
二、偶然論と両立する「必然」
三、社会主義思想批判
四、俳諧と「日本」的風土
五、新興俳句運動批判
六、開放的なナショナリズムを支える概念連鎖
七、「黴菌」に対する危機感
奥付
奥付