西尾維新の二人三脚――『きみとぼくの壊れた世界』試論――

西尾維新の二人三脚――『きみとぼくの壊れた世界』試論――

状態 完成
最終更新日 2013年01月27日
ページ数 PDF:14ページ
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内容紹介

西尾維新の学園推理小説である『きみとぼくの壊れた世界』のドラマを動かしているのは、「脚」のイメージだ。テクストに頻出する「脚」を丹念に拾っていくと、より抽象的な次元で、主人公の選択「肢」への態度と直結していることが分かる。シミュレーションゲームにあるプレイヤー感覚を与えるこのような一連の選択場面は、例えば、東浩紀の「ゲーム的リアリズム」の概念で捉えることができるだろう。しかしこのテクストには「ゲーム的リアリズム」に反するような要素も混在している。その余剰性を分析するなかで、トゥルーとバッドが入り混じったような『きみぼく』の特異なエンディングの意味を考察する。

【『きみとぼくの壊れた世界』梗概】
私立桜桃院学園に通う高校三年の櫃内様刻は同二年で妹の夜月のことを溺愛している。そんな中、夜月と同じクラスの数沢六人が彼女に対して悪戯をする噂を耳にする。様刻は彼を公衆の前で「制裁」する。その後、友人である迎槻箱彦の助けを得ることができ、同級生琴原りりすからの愛の告白に驚きつつも、事件は一段落するかと思われた。しかし、その翌日、数沢は校内で殺害されて発見された。様刻は保健室にひきこもる天才少女の病院坂黒猫を探偵役にして、共に真相究明に乗り出す。

目次
一、「脚」の物語
二、「肢」の歴史
三、想定外の隣接性
四、ゲーム的リアリズム超克の試み
五、トゥルー/バッド・エンディング
六、「二人三脚」の関係へ
奥付
奥付