和志は過去に大動脈解離によって開胸手術を二回受けている。今回は三回目の手術であった。今回のは切らずに済むステントグラフト施術であった。だが、完全に治癒したわけではない。この後も、「腹部大動脈置換手術」「臓器部分の大動脈置換手術」などの命を賭けた手術に臨まなくてはいけない。
そんな中、母秀子の突然の「胆嚢摘出手術」が執り行われる。秀子は数年前から「認知症」の症状が現れ、最近は周りの家族が手を焼くほどまでに症状が進んでいる。
一方、和志の手術はうまくいくが、会社ではリストラが加速しており、和志もやがて声が掛けられるのも時間の問題である。
自らの病気の不安、会社の先行き不透明な状況、母の認知症の加速が下から下から和志を突き上げる。
それでも、できることを一つ一つこなしていくしかないのである。
あらすじ |
目次 |
第一章 |
第二章 |
第三章 |
第四章 |
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奥付 |
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