ふと視線が引き寄せられた方向を見ると、鉄橋の下から小型スーツケースを引いた男がやって来た。金曜日の夕方の五時台に、出張するという服装でもなく、旅行という雰囲気でもない。その男を見た瞬間、美紗子はやっと深刻さに気付いた。
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