その時、美紗子は、十三階建てのマンションの五階にいた。このまま揺れ続けたらそのうち、このマンションは倒れるだろうと想像し、恐怖感が倍増した。崩れた壁に身体を挟まれて暗闇の中で何日も動けずに生き地獄を味わうなんて、絶対にごめんだ。恐さも知らずに即死か、無傷で生きるかのどちらかにしてほしかった。
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