出版社Kの知人がお勧めだという新書を送ってきたので読んでみた。知人が中心になって制作したそうだ。著者は隣国の大学教授で、とある分野の博士だと紹介されていた。数カ国で活動し、世界平和の運動もしているらしかった。美紗子はふと思いついて、薔薇彩の世界平和会議にこの人物と一緒に出席していただくことはできるかどうか聞いてみると、知人はきっと可能だよと言った。
インドに戻るや薔薇彩に「○国の教育者の方に、世界平和会議に出ていただけそうなのですが」と言うと、「教育者と言っても、どんな教育者なのかわからないではないか」と返って来た。
第五十一話 大手出版社が知らずに出した犯罪者の本 |