長年、資格取得の講師を行い、受講された方からもそれなりの評価を頂いてきました。また、新人講師の教務力向上のための指導も行ってきました。そのような経験から周りの人たちから「あがったりすることはないんでしょうね。」と言われたりすることがあります。とんでもありません。私自身、今でも他の人よりも「あがり症」だと思っています。
講座開講前には、脈拍も高まり、のども急激に渇いたりします。そのようなことからセミナーや書籍等において「あがり症を完全に治す方法」との宣伝がなされているのをみると、なにか違和感を感じます。
「ロジカル・スピーキング」、「ロジカル・プレゼンテーション」といった論理的技法もよく聞きます。確かにそのような技法を理解することは大切です。しかし、プレゼンテーションやスピーチ等は、最初に、話し手の内面的心情があり、その次に話し手が声に出すことによって初めて、聞き手に対し話し手の伝えたい事が伝わるのです。論理的技法は、話し手が声に出して聞き手に伝えるときの明確な道筋を示すための方法です。しかし、きちんと声を出すことができなければ、論理的技法を身につけても、全く役には立ちません。
極端なことを言えば、きちんと声を出し、そこに熱意という気持ちが入っていれば、聞き手に対して話し手の伝えたいことはしっかり伝わるのです。大切なことは、話し手の内面的心情から声に出すまでの過程だと思うのです。ここでは、私の今までの講師経験を通じて得たスピーキングの核の部分を伝えていければと思っています。
この電子書籍では、エッセンシャル版として提供させていただきました。この書籍をお読みいただき「発表力・面接力」に興味をお持ちになられましたら是非、Hope and Dreamsのホームページ(hope-and-dreams.com)もご覧いただければと思います。