教育機関で働いている当時四十歳前後だった日本人男性は、池内悟郎に捕まってしまい、昔の著名人であったと告げられた。それはたいへん有名な世界の歴史上の人物で、ちなみに西洋人だが、どう見てもその日本人がその生まれ変わりには思えない。信じる人は池内本人以外なら、彼のクライエントくらいだ。その著名人だった時の過去の罪のせいで、現在困難に直面していると池内悟郎から言われたそうだ。そのあまりにも幼稚な「霊視」の話を聞いて、「なんだかあまりにも嘘ってわかっちゃってかわいいね」とみんなに笑われていた。
実録・秘書の告白 「ヒトはいかにして狂うのか」中巻(第十六話~第四十一話)からの続話。
「第四十二話 発狂したクライエントたち」 |