さて、今回の『江戸川乱歩の世界』は、有名な『D坂の殺人事件』(+『心理試験』)と『屋根裏の散歩者』になっておりますが、まず、最初の『D坂の殺人事件』(+『心理試験』)という作品は、初めて「明智小五郎」が登場する作品として有名であり、その内容は、古本屋の女房がなぜか殺害されるという事件が起き、しかも、その女房の全身には叩かれたような生傷があるということで謎が深まるとともに、その「謎解き」を明智小五郎がするというものであり、また、『心理試験』という作品は、苦学生に近い一人の秀才の大学生は、老婆(官使の未亡人)が数件の借家から上がる利益(現金)を、何と奥座敷の「松の植木鉢」の底に隠しているという情報を、そこの下宿人の親友から聞き、そこで、その老婆を殺害して、その現金を奪い取るという「完全犯罪」を企て実行するが、その「完全犯罪」も再び「明智小五郎」が解き明かすというものであり、そして、最後の『屋根裏の散歩者』という作品は、非常に有名な作品であり、その内容は、この世の何ものにも興味の持てなかった郷田三郎という人物は、ついに「屋根裏の散歩」という異常な世界の楽しみを見つけ出し、しかも、その天井のすき間から下で寝ている人物を毒殺するという、まさに「完全犯罪」を計画し実行するが、またまた、それを有名な「明智小五郎」が解き明かして事件を解決するというものであり、興味や関心がありましたら、ぜひとも訪ねて見てください。
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