いまや発展途上国という格付けから脱しようとするインドは、人口の規模で間もなく中国を追い抜く。中国の経済をさえ凌ぐ大国にだっていずれはなってしまうだろう。初めてインドを訪れた時、この国は永久に発展することはないだろうとさえ思ったものである。しかし、いまや21世紀のイケイケ大国である。この国がこんなにも世界の注目を浴びるのは経済的な発展が目に見えるからである。しかし、ヒンドゥ社会の内側の在り方は外の世界には見えていないように思う。それで、前後約1年間のインドの滞在を通じて、混沌としたヒンドゥ社会の内側に潜むパワーの源泉を探ってみた。
序章 |
序章 |
第1章 シャタブディ・エクスプレスの旅 |
1 ニュー・デリー駅 |
2 シャタブディ・エクスプレス |
3 ヒンドゥ的社会組織 |
4 ヒンドゥ的アルトゥルーイズムとパシフィズム |
5 ヒンドゥ的近代社会 |
第2章 アジメールのダルガ |
1 ヒンドゥ教とイスラム教の共存 |
2 宗教と哲学がある日常生活 |
第3章 乾燥地のヒンドゥ社会 |
1 ラジュダニ・エクスプレス |
2 インド人の理屈っぽさ |
3 見栄っぱりのインド人 |
4 ヒンドゥ社会の再編成 |
5 マルワリ・砂漠の商人 |
第4章 ヒンドゥ社会的一元論の世界 |
1 「持つ者」と「持たざる者」の共通認識 |
2 ヒンドゥ社会的共有の精神 |
3 近代的インフラのヒンドゥ社会的利用法 |
4 人糞とゴミから嗅ぎ分けるヒンドゥ社会 |
5 ヒンドゥ社会改革地帯 |
第5章 インド東部のヒンドゥ社会 |
1 鉄道沿線のスラム街 |
2 ヒンドゥ社会的権力欲 |
3 ヒンドゥ社会的彼我の関係 |
4 チャンドラ・ボスの夢 |
5 ヒンドゥ的愛の叙事詩 |
終章 死地へ旅立つ町 |
1 ヴァラナスィへの混沌とした道 |
2 死を待つ階段 |