東日本大震災からもうすぐ四年を迎えます。
この震災で、地方選挙が延期された所もありますが、多くの自治体が震災の年から四年で選挙が行われます。今回は、人権と選挙というテーマで、特に障害のある人たちの選挙権保障を憲法、障害者権利条約、そして、実態を踏まえて考えていきます。
障害者権利条約第二九条では、「締結国は、障害のある人に対し、政治的権利の享有及びこの権利を他の者との平等を基礎として行使する機会を保障する」としています。この権利の遂行は、同条約第九条のいう、アクセシビリティ(利用のしやすさ)の遂行とあわせて見ておく必要があります。
また、日本国憲法では、選挙権について、基本的人権の一つとして、自由権や社会権とともに、参政権、受益権が上げられています。選挙権は、五つの原則を持っています。普通選挙、平等選挙、自由選挙、秘密選挙、直接選挙です。今から七〇年前まで、選挙人は一定額以上の納税している男子に限られていました(制限選挙)。二つ目の平等選挙は、一人一票を原則とする、ということです。三つ目の自由選挙は、棄権しても制裁を受けない選挙です。四つ目の秘密選挙は、誰に投票したかを秘密にする制度です。最後の直接選挙は、選挙人が公務員を直接に選挙する制度です。
憲法や障害者権利条約では、相当具体的な権利として示されていますが、現実の地域で起こっている事例を見ながら、障害のある人が、選挙権が保障されているのかどうか、国民の選挙権保障の課題や問題として考えていきます。 (編集主幹)