特集 福島、陸前高田、そして久慈 東日本大震災から三年
今年三月一一日一四時四六分、陸前高田市自然環境活用センターにて、菅野(かんの)悦雄(えつお)さん(陸前高田市)、神門(ごうど)康子(やすこ)さん(宇治市、書画家)、豊田八郎さん(奥州市、当研究所常任理事)、浅井純二さん(犬山市、日本福祉大学助教)、黒田孝彦(編集主幹)は、長いサイレンのもと黙とうをしていました。
宮城県側では六メートルの津波警報、岩手県では三メートルの津波警報。陸前高田に一五時二三分、津波が到達します。この警報の違いが大きな岐路になったと、あとでわかります。陸前高田市の震災死亡者一五五六人、関連死四三人、行方不明者二一五人(うち死亡届受理件数二〇九人)、家屋倒壊数四〇四五棟(二月二八日現在岩手県総合防災室まとめより)。
九日に行われた陸前高田市主催の追悼会で、戸羽(とば)太(ふとし)市長は、「志半ばで亡くなった方々を思うとき、万(ばん)感(かん)胸に迫るものを禁じえない。底知れぬ悲しみや寂しさ、ぶつけようのないくやしさを味わった。……いまだ整理できない気持ちを思うとき、まちなみや産業だけでなく、心の復興こそが真の復興」と式辞で述べています。
震災三年を社会福祉の問題として考える震災三年を総合社会福祉研究所(以下、研究所)としてどのようにむかえるか。昨年夏の会員の集いで、理事会と福祉のひろば全国編集委員会を被災地で開催し、地元との交流の中から、被災地の生活や社会問題などをふれ合って考えることにしました。
そして、福祉のひろば連載者の神門やす子さん(表紙絵)、川口モトコさん(花咲け! 男やもめ)、ラッキー植松さん(なにわ銭湯見聞録)の三名の協力のもとで、岩手県陸前高田市と久慈市で展示交流会を開催することになりました。