特集あなたの近未来はここにある!
──社会福祉現場で五年間働きつづける先輩たちからの発信──
総合社会福祉研究所は、二〇一四年度の一年間をかけて、社会福祉現場で五年間働きつづけている人々を対象に調査をおこない、実態把握と育成の提言ができるように研究活動を進めることにしました。四月号は、この一年間の取り組みのスタートです。三名の若手研究者と申(しん)研究所事務局員の四名の調査研究チームで出発することにしました。よろしくお願いします。
なぜ、勤続五年を対象に、一年間通しての調査なのか
社会福祉現場を離職する人の七五%近くが、勤続三年未満です。事業所の方々からうかがうのは、「いまや三年は中堅。なかには主任等の職位に就く場合もある」ということ。ひとつの山が三年目にあると現場からも語られます。そこで、三年を過ぎ、冷静にふりかえることもできる勤続五年の方を対象に調査をすることにしました。同時に、二〇代後半に入るという世代の特徴や家庭づくり等への意識対象としても考察しています。調査研究チームはまず、先行調査で聞き取り調査を多業種でおこない、二回目に通所系と入所系とに分けて聞き取り調査をおこないました。今回の特集で紹介する座談会は、この二回目の聞き取り調査の内容です。
この調査活動は、一年間をかけて、先行抽出調査からはじまり、夏から秋にかけて量的調査に取り組みます。量的調査では、さまざまな離職調査や勤続調査等を参考にしながら、今回おこなった先行調査をもとに調査項目を設定して、配布、回収、分析、そして、調査報告をまとめる作業に入ります。可能であれば、調査対象者自身もこの調査活動に加わることも検討しています。また、調査経過については、本誌の中で報告していく予定です。