雲南省昆明を訪ねる。中国大陸の奥まった山岳地帯の雲南の地に多くの”少数民族”が住んでいることには、長い歴史的な背景がある。
　所謂、漢民族が、この雲南の地にやって来る以前には、元もと、中国大陸の西南から東南アジアにかけてはモン･クメール系のワ(佤)族などが住み、その少し北に、カム･タイ系のタイ（傣）族、トン（ｲ同）族､チワン（壮）族などがメコン川沿いに住んでいて、そこに、北方からチベット･ビルマ系のイ(彝）､ペー(白）族、ナシ(納西）族、ハニ(哈尼）族などが山伝いに南下して来て、更に、旧来は、長江の中流域に居た「稲作民族」のミャオ･ヤオ系のミャオ（苗）族族が黄河流域の「畑作民族」に追われて、この雲南の地に移り住んで来ていた。
　民族村を訪ね、ミャオ族を想う。漢民族村がないが、その理由が民族村を出る頃、やっと思いついた。龍門石窟で「登竜門」を確かめ、石林公園を訪ねて、「阿詩瑪」伝説を想う。