私は雪菜。新潟市の近くの農村で、両親と弟、それに寝たきりのおばあちゃんと暮らしていたが、そのおばあちゃんが肺炎で亡くなった。死って、何だろう？……初めて死を知った私。自分の身にもやがて死が来る……そう思うと、怖い。私はノイローゼになってしまった。そんな私の学校に、新潟市から転校生が来た。川田恵介君。お父さんとお母さんを交通事故で失い、妹と二人、農家の叔父さんのところに引き取られてきたのだ。叔父さんちに作男として働かされ、お小遣いももらえず、学用品にも困っていた彼。彼は絵が上手だった。風景を描いても、彼の絵には引き込まれていきそうなのだ。彼の境遇に同情した私は、いつか彼に心惹かれていた。ある図画の時間、先生が「男の子は女の子の絵を、女の子は男の子の絵を描きなさい」と言った。迷わず彼の絵を描く私。彼も私の絵を描く。そして……。