状態 | 完成 |
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最終更新日 | 2013年11月18日 |
ページ数 | PDF:88ページ |
特集〝家族構造の変化〟と社会福祉
1953年、世帯総数が1,718万世帯、平均世帯人員が5.00人でした。約60年後に世帯総数は、4,817万世帯と2.8倍に増加し、平均世帯人員は約半分の2.57人に減少しました。世帯構造では、単独、夫婦のみ、ひとり親と未婚の子のみの世帯が増加し、三世代世帯が減少しています。世帯類型では、高齢者世帯が大幅に増加していることが示されます。
もう少し詳細に見ていくと、子どものいない世帯の増加、65歳以上の高齢者を含む世帯の増加、単身世帯の増加。都市部だけではなく日本全体に共通した状態です。小世帯化し、世帯数が増えています。しかし、世帯ごとに最低の日常必需品が必要です。結果として産業政策が働いていたように思います。これらの世帯構造や類型化の変化は同時に、さまざまな社会問題を広げたのも事実ではないでしょうか。
例えば、『国民生活白書』(2007年)には、結婚した人が親と別居する割合が増加し続ける一方で、若い世代を中心として自分や配偶者の親の近くに住む、いわゆる「近居」が増えていると指摘しています。1994年と2007年が比較され、2世帯住宅や同じ敷地内に住む割合が3.4%から8.5%へ、1時間以内の距離に住んでいる割合は、51.6%から67.5%へと高まっていること。特に若年層で、20代既婚者の敷地内別居と親世代が1時間以内に住むを合わせた割合が78.4%、30代既婚者では82.2%にも達しています。さまざまな生活防衛等が大いに影響していると思われますが、むしろその条件が揃わない場合の問題をとらえる必要があると思われます。
今回の特集は、世帯構造や類型化の変化、社会福祉現場で起こっている家族問題などへの実態や実践などの取材(担当中島悦子)を概括しながら、同時に、新たな共生の取り組みなどを垣間見、家族と社会福祉を考えることにしました。さまざまなご意見や研究報告、実践をいただいて、より一層深めたい。
(編集主幹 黒田孝彦)