遺す

遺す

状態 完成
最終更新日 2013年11月17日
ページ数 PDF:70ページ
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内容紹介

八王子市内の有料老人ホーム、紅葉の里で、雪子叔母が亡くなった。もうずっと前に叔父を亡くした叔母は、子どももなく、妹の照子叔母と紅葉の里で暮らしていた。照子叔母は、元高校教師で、一度も結婚していない。雪子叔母は認知症を発症し、照子叔母に面倒をかけていた。しかし、亡くなって、莫大な遺産を遺した。弁護士だった叔父が、遺産をすべて妻である叔母に遺したので、叔母はお金持ちだったのだ。遺書もないので、相続人は、照子叔母と、私たち三人姉妹、叔母の実家・新潟の青空旅館の娘である二人のいとこである。始め、照子叔母は、叔父の母校やその他のところにお金をばらまき、勝手に遺産を処理しようとしていた。私がそれに異議をとなえた。私は遺産は法律通り、公平に分けてほしかった。で、義理のいとこの啓子弁護士にそのことを頼む。結婚もせず仕事一筋に生きてきた啓子。それに反して、専業主婦になって状況に流されてきた私。今までの自分の一生を顧る……。

目次
【一】紅葉の里で
(過去 その1)幼いとき
(過去 その2)不登校にもなれないで
(過去 その3)初恋
【二】六十代の夢
(過去 その4)父と母
(過去 その5)セックスレスカップル
(過去 その6)自由の女神
(過去 その7)東大にあこがれる
(過去 その8)愛は革命の中に
(過去 その9)発病
【三】差別
(過去 その10)生涯で一番不幸だった出会い
(過去 その11)革命運動
(過去 その12)結婚
【四】再び紅葉の里で
(過去 その13)介護
【五】納骨の日とその後
【六】三回忌