誰がミスを犯した?

誰がミスを犯した?

販売価格:55円 (税込)
状態 完成
最終更新日 2013年12月17日
ページ数 PDF:28ページ
内容紹介

 清志郎と美佳子は茂木夫妻の新居祝いに招かれる。家は都内に三階建ての一軒家だ。竣工してまだ半年程しか経っておらず、ほぼ新築同然の物件をかなりの破格な値段で知人から譲り受けた。屋上からの眺望も豊かだ。偏に茂木の人徳といえる。
 順風満帆に思えた茂木夫妻であったが、彼らは悩みの種を抱えていた。妻、すみれの兄、田所隼人の存在だ。二人にとって兄の存在は、彼らの幸福を脅かすどころか、生活そのものを破綻させる危険を孕んでいた。仕事もせず金の援助を求めてきたり、勝手に家に上がり込んではテレビを見たりしている。
 茂木夫妻の切羽詰まった状況を見るに見兼ねた清志郎は、学生時代の友人で警視庁捜査一課に勤務する時任博文に相談を持ちかける。
 すると状況は一変し、田所の訃報が伝えられる。石神井川の橋の欄干から自ら首を吊ったという朗報が時任の口からもたらされたのだ。
 警察は自殺の線を濃厚としている。万事解決。
 だが、時任博文ただ一人だけは事件性を疑い、単独で田所の周辺捜査に乗り出したのだ。周辺とはつまり、田所が死の間際に接点があった四人の人物。茂木と、その妻で田所の妹でもあるすみれ、それから清志郎と、恋人の美佳子だ。
 橋の欄干から首吊り自殺と見せかけるといった、美佳子とすみれの田所隼人殺害計画はほぼ完璧なシナリオだった。誤算だったのは、時任博文という捜査一課の刑事が妙な穿鑿を働かせはじめたこと。
 では時任が捜査に乗り出したそもそもの発端は? やがて清志郎は、知らず知らずのうちにさまざまな情報を提供していたのは自分自身であったことに気づく。

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