状態 | 完成 |
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最終更新日 | 2013年09月10日 |
ページ数 | PDF:88ページ |
【特集】生活保護利用者はふつうに生きてはダメなのか?
政府の生活保護制度の大幅な抑制や後退、その動きを補完し、時に先導するマスコミのバッシングは、生活保護制度を意図的に慈恵的制度に後退させ、利用者を「自立しない人」へと変質させ、今でも孤立しかけている利用者を社会の後景に追いやろうとしている。
朝日訴訟をはじめ、多くの生存権裁判や個々の闘いを通して、私たちは貧困者の人としての生活を過ごす権利を求めてきた。
しかし、貧困格差社会は、一歩下がりながらも懸命に生き続ける人々に、鉈を振りかざし、消費動向や物価是正という欺瞞で否応なく支給額を八月から引き下げた。まさに命と健康を脅かす不当行為だ。
今回の特集は、絶対多数の生活保護利用者の生活の現実を、当事者自身がやっとの思いで要請に応じて遠慮しながらも登場し、実態の一部を、思いの一部を語ってくださった。
利用者それぞれに生活保護制度の利用にいたるまでの事情がある、思いがある、人生がある。
そこに共感しながら伴走することが求められる。その伴走者も登場してくださった。憲法二五条を国民の権利とする深い愛情とそれを攻撃する人たちへの怒りがあふれている。
社会福祉から社会を排除し、福祉を自助・共助の仕組みに変えようとする意図を見抜き、問題の社会化の視点を発揮しなければならない。そのためにも、個々の生きた現実に向き合い、伴走することの意味は大きい。
今回の特集に際し、さまざまな協力を得て、利用者自身が登場し、語ってくださったことに感謝申し上げたい。(編集主幹)