『愛する青春のふるさと』の翻案。新潟県新潟市の北東約六〇キロ離れた関川村を舞台にした物語。昭和四四年の春から秋までの期間、ブラスバンド部の中学三年の富士夫と二年の文子の恋の葛藤が描かれる。最初、富士夫は文子に対して抱く気持ちの正体がわからなかったが、ある日の『星条旗よ永遠なれ』の練習を終えたとき、初めて『好きだ』という感情に気づいた。やがて、日ごとに彼女への思いは募り、彼女の乗る汽車にわざと同乗や夜の彷徨など、ストーカーのような行為をしたが、最終的には手紙で告白することにした。その頃、ブラスバンド部は第一回定期演奏会を開催することが決まった。
文子から返事が来た。素直に受け入れる返事ではなかった。しばらくして村の夏祭りのとき、始めてデートをした。
合宿練習の時、流れ星を富士夫と文子は見て、お互いのことを祈る。段々と仲良くなっていくが、倫子が富士夫に好きだと告白してきて、倫子への対応に富士夫は悩み始める。そんな時、中学女子の憧れの剣道部主将・結城浩二と文子が仲良くしていることを知り、富士夫は動揺する・・・・・・。
音楽準備室とセーラー服の少女 |
『星条旗よ永遠なれ』とひばりのさえずり |
下関駅十時三十八分発の汽車 |
ピッコロとピアノが得意な天使 |
ドビッシーの『海』を聞いて |
悲恋の曲『エリーゼのために』 |
倫子の突然の告白 |
憧れの剣道部主将・結城浩二 |
これからも勝手に好きでいます |
突然やってきた別れ |
濁流を乗り越えて |
和解と金剛の自信 |
ドビッシーの『海』はあなたのこと |
奥付 |
奥付 |