いわゆる＜魏志倭人伝＞は、史書『三国志』の「烏丸鮮卑東夷伝」に含まれている。この「東夷伝」は、夫余・高句麗・韓など諸集団の法俗を列記し、各々の特徴を比較しながら読むことを意図した構成になっている。しかし、日本の古代史を扱った書籍では＜倭人伝＞の部分だけを掲載することが多く、そのため本来の文脈が伝わらず、誤解や奇説の元ともなっている。本書は、日本史の原点とも言える時代の正しい理解に至ることを目指し、「烏丸鮮卑東夷伝」の全体を訳出した。
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