赤沢怜二は寂れた商店街で坂崎琴海と偶然出会う。坂崎とは高校二年生の夏を共に過ごした仲だったが、彼女と出会ったのは五年ぶりだった。坂崎は開口一番、笹岡麻里奈という友人が自殺してしまった事を告げる。
しかし赤沢は坂崎の友人が死んだ事なんて全く気にしない。短い夏を一緒に過ごした坂崎に対する興味は、”彼女の今の生き方”ただ一つであった。

偶然の再会というオープニングから始まり、過去に埋もれた二人の幼い高校生の夏を描く恋愛小説。そして、恋を通して人生を問う青春小説。

絶望的なほどの苦味。ほんの少しの甘酸っぱさ。一ミリの希望。