東京に暮らしている「私」の日常を切り取ったエッセイ。
人生山あり谷ありだと、よく言われるが本当にそうだろうか。
平凡な人生の中にこそ、人間の営みがあるはずである。
なぜなら、人生においてのドラマ性は装飾の類いだと信じるが故だ。
ダイヤの指輪やスポーツカーが本人の直接の魅力と関係がないように、人生に置けるスパイスも同様に人生そのものではない。
並の人間の波の暮らしこそが人生をひもとく鍵である、たぶん鍵だ。
うん、そうに違いない。
…といった、考えから書き始めるエッセイ。
20編くらいで一幕にして、今はそれに向かって書くのみである。
はじまり、はじまり |