福祉のひろば 2013年3月号 【特集】陸前高田市の仮設住宅と米軍基地のある沖縄から生活と福祉を見る

福祉のひろば 2013年3月号 【特集】陸前高田市の仮設住宅と米軍基地のある沖縄から生活と福祉を見る

販売価格:440円 (税込)
状態 完成
最終更新日 2013年05月20日
ページ数 PDF:88ページ
内容紹介

特集 陸前高田市の仮設住宅と米軍基地のある沖縄から生活と福祉を見る

〈1〉 今号では、①東日本大震災2年を迎える陸前高田市の仮設住宅から、自治体の生活再建やまちの復興の姿、②そして、憲法より日米安保条約や日米地位協定が優先される沖縄の姿、この二つを通して、それぞれが抱える問題と共通する課題を社会福祉を切り口に深めます。しかし、この現実を目の当たりにすると、その歴史や背景を薄めてしまう姿に出あいます。まさに、被災地と沖縄です。今回は、現地での取材や研究活動(1月に開催した社会福祉研究交流集会「第17回合宿研究会in沖縄」)を通して、二つの地からの現実の日本の構造的問題があることを浮き彫りにしました。

〈2〉 岩手県南部、太平洋に面する陸前高田市の被災状況を概括します。震災当日の人口は2万4,246人。生存確認者2万2,018人(2012年10月23日現在)、死亡者(震災分)1,735人・(病死・事故死等)464人、行方不明14人、市内での遺体発見数は1,555人。それぞれの人たちが地域や社会の中で働き、活動し、暮らしていました。働き、活動していた場が津波で破壊され流出します。

同じ岩手県の大槌町では震災前、世帯平均年収170万円で暮らしていました。その生活を支えていたのは家と田畑と隣組の存在でしたが、津波はそれらを流出させました。陸前高田市でも生活や労働や活動を支える基盤の多くを失ったことがわかります。今回は、米崎中学校仮設住宅で、もうすぐ震災から2年を迎える人々の仮設での暮らしや就労や活動を探ります。

〈3〉 復帰以前の琉球政府時代に、日本本土に留学して社会福祉等の制度や法律を学び、沖縄でのさまざまな問題解決のための制度や政策を探求した人々が存在しました。そのことが、復帰後の沖縄の社会福祉にも重要な意味をもたらしました。辺野古の「命を守る会」の人々との交流では、「『頑張ってください』ではなく、いっしょに何を頑張るのか」を探ります。