状態 | 完成 |
---|---|
最終更新日 | 2013年05月18日 |
ページ数 | PDF:88ページ |
【特集】 生活基盤の整備が再犯を防ぐ(更生と福祉)
2010年の入所受刑者27,079人。そのうち、高齢入所者(65歳以上)は、2014人でした。高齢の入所受刑者人員は最近20年間、初入者・再入者ともにほぼ一貫して増加傾向にあり、また、入所受刑者全体と比べてその増加傾向は著しく、再入者の割合が高い。高齢者の保護観察開始人員は増加傾向にありますが、高齢者の仮釈放率(2010年は28.3%)は、出所受刑者全体の仮釈放率(同49.1%)と比べて低い。高齢者では、引受人がいないなど、釈放後の帰住先が確保できない者が多いことなどによると考えられる(「平成23年度犯罪白書あらまし」より)。
特集最初の「神戸の冬を支える会」の青木しげゆきさんの話は、執行猶予で拘置所から社会に戻るケースも忘れてはならない問題で、居場所や生活基盤が整っていれば再犯の可能性が少なくなることを提起しています。
2005年7月15日に施行された「心神喪失者等医療観察制度」の監察指導を行うために設置された「社会復帰調整官」についても、大阪保護観察所の社会復帰調整官室に取材を行い、今号に掲載しました。この制度は、多くの問題があることや、一昨年度が実施5年後の見直しの時期でもあったことなどがあり、「障害者問題研究」vol.37 No.4(2010年2月発行)に「知的・精神障害をもつ人たちの触法問題事例と貧困を考える」(黒田孝彦)という題で紹介しました。
また、本誌2008年8月号では、60歳以上の受刑者が三分の一を占める尾道刑務支所の視察概況を掲載し、高齢受刑者の背景や出所後の生活問題、そして出所後の生活保護問題など刑務支所の苦悩なども一部紹介してきました。
今回、播磨社会復帰促進センターの矯正展を視察し、その概況も紹介します。