福祉のひろば 2011年5月号 【特集】憲法と児童福祉 児童養護施設はいま(Ⅱ)

福祉のひろば 2011年5月号 【特集】憲法と児童福祉 児童養護施設はいま(Ⅱ)

販売価格:440円 (税込)
状態 完成
最終更新日 2013年05月18日
ページ数 PDF:79ページ
内容紹介

【特集】憲法と児童福祉 児童養護施設はいま(Ⅱ)

昨年末からタイガーマスクのランドセル寄贈によって、児童養護施設がにわかにクローズアップされるようになりました。また、児童養護施設の最低基準が30年ぶりに改善されるといった報道もあり、関係者は大きな期待を寄せましたが、社会保障審議会児童部会での検討内容やその後の状況を正確に把握したところ、すでに措置費として、加配されているものを最低基準に明記したに過ぎないことが明らかになりました。

特集座談会は、児童養護施設での生活を経験された山田優さん(大阪福祉事業財団高槻温心寮支援員)、30年以上の現場経験を持つ尾道敦子さん(大阪福祉事業財団高鷲学園事務長)、そして、ご自身、児童養護施設での勤務経験のある日本福祉大学の堀場純矢さんの3名に登場していただき、児童養護施設を本格的に改善するには何が必要かを語っていただきました。

山田さんは、児童養護施設卒園後直ちに、自己責任の社会に放り出され、大きく戸惑ったこと、国民健康保険料を払わなければならない大変さなどの実体験を、尾道さんは、2名の職員で30人の子どもたちを見ないといけないといった30年以上改善されていない最低基準の早急な改善と、事例を交えて卒園者のフォローアップの必要性を、堀場さんは、養護問題の本質を踏まえた実践・研究の必要性をそれぞれ語っています。

この座談会に対して、全国児童相談研究会の北川拓さんは、児童養護施設で生活する子どもたちが将来への夢や希望を語れる場に施設がなってほしいとコメントしています。

特集松本伊智朗さんの「子ども虐待問題と被虐待児童の自立過程における複合的困難の構造と社会的支援」は、2003年度に全北海道児童相談所が虐待相談として受理したケースに対して筆者らの研究班が行った訪問調査結果の一部を紹介したもので、子ども虐待の背景には、貧困と社会的孤立が背景として確認された、としています。