状態 | 完成 |
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最終更新日 | 2013年05月18日 |
ページ数 | PDF:78ページ |
【特集】ご存じですか 救護施設(生活保護施設)
救護施設とは、「身体上又は精神上著しい障害があるために日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させて、生活扶助を行う」(生活保護法第38条)保護施設です。
全国186ヶ所の救護施設で、約1万7千人の方が生活しています。身体障害、知的障害、精神障害やこれらの重複障害など入所者の障害状況はさまざまで、DVや虐待被害者、野宿経験者・多重債務者なども増えてきており、心のケアや抱えている深刻な生活問題への対応も求められています。施設の支援内容は、従来型の入所による生活支援中心の所もあれば、積極的に入所者を地域のアパートなどへ退所させ、施設へ通所してもらうなかで支援に取り組んでいる所もあります。
今回、2ヶ所の救護施設を取材しました。一つは、全国で初めて全室個室化を実現した、大阪の「高槻温心寮」です。15年の歳月をかけて、入所者への支援と“住まい”としての施設のあり方について討論を重ね、地域との関係づくりに丁寧に取り組み、昨年8月ようやく建て替えが完了。新しい生活を始めました。もう一つは、国が制度化する以前から独自に“入所だけでなく、通所での支援”に取り組んでいた、兵庫の「アメニティホーム夢野」です。地域での生活にうまく移行し安定して継続できるようにするためのきめ細かな支援は、“当事者主体”と“ネットワーク”がキーワードです。それぞれに特徴のある実践から、救護施設の存在やナショナルミニマムとは何かを一緒に考えていただければ幸いです。
【トピックス】
◆「青年期から始まることが多い『多重債務問題』」は、司法書士の伊東弘嗣さんに、25人の事例を通して、多重債務問題の実態と解決について報告していただきました。
◆座談会「定時制高校はいま」(2)は1月号の続きです。定時制高校に通う子どもたちの貧困・生活問題を解決するためには、社会的サポートを行う専門職・機関との連携が不可欠であるとの指摘は重要です。