脱ステロイドの問題点 -アトピー性皮膚炎と乳児湿疹の治療-


著: cam

脱ステロイドの問題点 -アトピー性皮膚炎と乳児湿疹の治療-

著:cam
状態 完成
最終更新日 2014年02月14日
ページ数 PDF:96ページ
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内容紹介


 「あなたは脱ステロイドで人生を台無しにしますか?」

インターネット上では、誤ったアトピー性皮膚炎の情報で溢れています。特に、ステロイド外用の情報は間違いが目立ちます。そのため、普通に治療を受ければアトピー性皮膚炎をコントロール可能なのに、ステロイド外用を避けて悪化している方がいらっしゃいます。

脱ステロイドをする人々に共通していることが、ステロイド外用剤には過敏に反応するにもかかわらず、他の治療法や脱ステロイドの治療法のリスクには無頓着なところです。
この本では、脱ステロイドを行うことの危険性について具体的に述べます。

よく考えてみてください。ステロイドバッシングがおこったのは1990年代です。そして、脱ステロイドと言われ始めたのもその頃です。ですが、いまだに脱ステロイドは医療の世界で普及せずに今日に至ります。本当に効果的であれば、必ず医療の世界で取り入れられ、標準治療となるはずです。そうでないということは一つ。脱ステロイドの有効性は低いということです。

この本では、出来る限り医学的に検証された論文を引用しました。なるべく、根拠を示すよう努力いたしました。


ステロイド外用剤が怖いと思っている人は、ぜひこの本を読んでみてください。
きっと、この本を読み終わる頃には、『脱ステロイドは怖い』に変わっているでしょう。


【履歴】
2013年10月03日 初稿
2013年11月04日 修正、加筆
2013年12月05日 修正、加筆
2013年12月31日 完成

目次
第1章 脱ステロイド
1-1 はじめに
1-2 脱ステロイドとは?
1-3 脱ステロイドという言葉の使い方の間違い
1-4 ステロイド忌避(キヒ)
1-5 ステロイド外用の副作用が出た場合
1-6 ステロイド外用剤が使用される前の時代を考える
1-7 参考文献
第2章 眼症状・感染症の合併
2-1 脱ステロイドの文献にみる、皮膚感染症と眼の合併症の増加について
2-2 白内障の合併
2-3 網膜剥離の合併
2-4 黄色ブドウ球菌の増加による、とびひ(伝染性膿痂疹)の合併
2-5 溶連菌の増加(Streptcoccal toxic shock syndromeの症例)
2-6 カポジ水痘様発疹症の合併
2-7 参考文献
第3章 乳児・小児に著明な脱ステロイドの問題点
3-1 「乳児アトピー性皮膚炎はステロイドを使わなくても治る」という主張の落とし穴
3-2 喘息・食物アレルギー・アレルギー性鼻炎の発症率の増加
3-3 Dual allergen exposure hypothesis
3-3 パンフレットの記載
3-5 重症乳児アトピー性皮膚炎の成長障害・低蛋白血症・電解質異常
3-6 ステロイド忌避が招いた乳児湿疹患者さんの死亡例
3-7 乳児期の標準治療の重要性
3-8 小児アトピー性皮膚炎の医療ネグレクト(虐待)をなくそう
3-9 参考文献
第4章 脱ステロイドのその他の問題
4-1 社会生活からの脱落
4-2 重症アトピー性皮膚炎では副腎機能が抑制される
4-3 脱ステロイドの矛盾点:湿疹は皮膚バリアを障害している
4-4 参考文献
第5章 脱ステロイドの各プラスαの治療法の問題点
5-1 脱ステロイドの各プラスαの治療法の私的分類と、その問題点
5-2 「脱ステロイドで良くなった」のカラクリ
5-3 参考文献
第6章 ステロイド依存は間違いである
6-0 ステロイド依存の問題
6-1 ステロイド外用は薬物依存の定義に当てはまらない
6-2 ステロイド依存という言葉の歴史
6-3 本当のステロイド依存
6-4 ステロイド皮膚症もおかしな言葉だ
第7章 アトピービジネス
7-1 効果があれば標準治療になる
7-2 アトピービジネスの手口
7-3 プチ・アトピービジネス
7-4 薬事法に反するアトピービジネス
7-5 参考文献
第8章 脱ステロイドの繁栄と衰退
8-1 脱ステロイドの繁栄と衰退
8-2 1992年に報道されたニュースステーションのステロイド特集の問題点 1
8-3 1992年に報道されたニュースステーションのステロイド特集の問題点 2
8-4 脱ステロイドを議論する時代は終わっている
8‐5 脱ステロイドの衰退の理由
8-6 脱ステロイドから標準治療に戻った人々の意見
第9章 アトピー性皮膚炎の話題
9-1 アトピー性皮膚炎治療は、世界中どこでもステロイド外用剤が中心だ
9-2 外用することの大変さ
9-3 対処療法だからダメ?
9-4 色素沈着はステロイド外用のせいではない
9-5 参考文献
第10章 臨床研究の限界、免責事項
10-1 臨床研究の限界
10-2 確率論
10-3 免責事項
10-4 脱ステロイド関係者の方へ
奥付
用語解説
奥付