小さな港町で中学生四人が殺されていた。その首が八幡神社の鳥居に吊されていた。犯人はその夜の内に自首してきたが、同級生の一人だった。だが、動機については口を噤んだままで、黙して語らなかった。 七年後に少年は少年院を出所したが、頑ななまで黙秘し続けた背景とは、一体如何なるものだったのか。さらに、二十年後に忽然と姿を見せた。果たして彼は何を物語るのであろうか。