これは2006年の10月26日~10月30日までの間に私「伊東聰」のブログ、「さとしの哲学書簡 ver2」で5回にわけて連載していたものである。
・2006-10-26 FTMTSと難聴をつなぐもの-ES細胞研究 その1
・2006-10-27 FTMTSと難聴をつなぐもの-内耳再生医療研究 その2
・2006-10-28 FTMTSと難聴をつなぐもの-実子がほしいFTM その3
・2006-10-29 FTMTSと難聴をつなぐもの-勝手にしやがれの盲点? その4
・2006-10-30 FTMTSと難聴をつなぐもの-伊東聰のジレンマ その5
ES細胞研究には人クーロン胚が必要だったのだが、その卵子の提供元としてFTMTS(Female to Male Transsexual, 性別適合手術を望む女性から男性への性同一性障害者)の卵巣が求められていた。
性同一性障害問題は再生医療研究とほど遠い分野のように感じるが、2006年8月の文部科学省の「科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会特定胚及びヒトES細胞等研究専門委員会人クローン胚研究利用作業部会(第21回)配付資料」にはSRS後のFTMの卵巣についての記述がある。
このことについてゴルゴ13の1エピソード、「バイオニックソルジャー」にちなんで「ジョージ・モラレス問題」と筆者が名付けたこの医療倫理の問題についての記事を電子書籍にまとめてみた。