人間はだれでも、幸せになりたいと願って生活している。それなのに「本当に幸せか」と聞かれて胸を張って「幸せ」と答えられる人はごく一握りである。つまり、「本当の充実感」を味わって毎日を過ごしている人はそれほど多くはないということだ。
　不幸と感じている人はもとより、「まあ、幸せといえばいえなくもないが何かが足りない」と感じている人…今、若者も中高年も多くの人々が、心のよりどころを失い漂っているように見える。これから、私と一緒に幸せ＝充実感の扉を探しに行こう。
　人間性心理学の開祖Ａ・Ｈマズロー博士は、人類史上心豊かな生涯を送った人々や、身近な人々で多くの人から尊敬され慕われている人にどういう共通点があるか、膨大な資料に基づいて分析した。
　その結果人類にとって究極の欲求である「自己実現の欲求」に到達した。自己実現の欲求については識者の間でも誤解があり、「自己中心的な欲求」と混同される恐れもあるが、決してそうではない。むしろ、自己中心的な欲求とは対極にあるものである。