初老時代

初老時代

状態 完成
最終更新日 2013年01月24日
ページ数 PDF:16ページ
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内容紹介

夫の兄、徳四郎が孤独死した。彼は一度も結婚せず、兄弟とも交わらず、孤立していた。マンションの部屋で、誰にも連絡せず、一人で病死した。一月後、おかしいと思った隣人が警察に電話、警察から池袋の長兄の許に知らせがあった。事件性はないということで、すぐに火葬になった。葬式をせず、火葬場に直行する、現在多いという直葬であった。夫が彼のマンションへ出向き、跡片付けをする。掃除したことのないマンションは、ひどく汚れていた。ゴミの中に300万円もの札束があった。
あと、長兄の妻は、着物道楽で、着もしない着物をいっぱい買った。当時は長兄も家具商を経営していて、羽振りがよかったのだ。部屋は着物の山であふれかえっている。足の踏み場もない。病気になった兄嫁だが、介護認定してもらってヘルパーに来てもらおうとしても、ヘルパーの入る場所がない。着物がもったいなくて棄てられない長兄は、困っている。
夫と私の年末年始はどうか。年末になると、機械が壊れる。プリンタもBSアンテナもファクシミリ電話機も壊れた。ついでに、夫まで壊れた。病気で具合が悪い。年末で医院が休みなので、休日診療所に行った。ノロウィルスらしい。また夫は胃カメラの結果、ポリープがあるらしく、胃癌かどうか…私もストレスで血圧が上がった。そして、新年が来て……。

目次
(1)直葬
(2)ゴミ屋敷ならぬ着物屋敷
(3)2011年の年末
(4)2012年の新春
(5)春よ来い