マルクス・エンゲルスの「共産党宣言」が共産主義の教本であるように、本書はイスラーム原理主義の教本である。著者サイイッド・クトゥブは1906年、エジプト生まれ。33年師範学校を卒業、教育省に勤務。48-50年アメリカに留学するも、帰国直後ムスリム同胞団入り、イデオローグとして機関紙誌を編集。1966年、本書執筆の罪を理由に、ナセル軍事独裁政権によって絞首刑に処された。イラン・イスラーム革命の指導者ホメイニ師、師の副官アリ・ハメネイ師(大統領/最高指導者)、9・11テロ事件の首謀者ウサ―マ・ビン・ラーディン、アフガニスタンで米傀儡政権に抵抗を続けるターリバーン、イラクとシリアの反政府勢力、エジプトで政権を掌握したムスリム同胞団のモルシ政権は皆、この思想、クトゥブ主義の信奉者である。中東問題だけでなく、世界情勢を理解するために、必読の書。
訳者のまえがき |
序章 |
偉大な世代にかえれ |
全人類への呼びかけ |
神は人の上に人を造らず |
アッラーの正義を貫く奮闘 |
森羅万象の基盤 |
アッラーへの完全服従 |
イスラーム文明 |
科学と芸術を導くアッラー |
アッラーへの道は唯一 |
偉大なる革新 |
信仰あるのみ |
不撓不屈の精神 |
奥付 |
奥付 |