日本の外交についてはいろいろ批判されるが、成果もまた多い。
世の中では、「外交は、戦略眼を持った政治家が一人でやる」とか「交渉は、スーパーマンのような外交官が一人で成果を勝ち取るものだ」などと思っているが、これは現実とは全く違う。
この「外交は誰かが一人でやっているものではない」ということをはじめ、外交についてのいくつかのイロハを外交官OBが説く。これを読めば、マスコミに振り回されることなく、自分の意見が持てるようになるだろう
| はじめに |
| 外交は流れる水を相手にするがごとし――自分も相手も常に変わる |
| 「外交は首脳が一人、一貫した戦略をもってやる」、「交渉は優れた外交官が一人でやる」――ものではない |
| 「独裁者」は独裁していない |
| ものごとは理屈ではなく、各国の都合が織りなす「バランス」で決まる |
| 「相手の真意は奈辺にあるか」で思い煩うより、相手をその気にさせる状況を作る |
| 「外交」の半分は「内交」 |
| 国と国の関係は、隣近所のつき合いとは違うところがあるー世界には交番はない |
| 大きいか小さいか、強いか弱いか――それが世界の判断基準 |
| 「ちゃんとしている」国は世界に一握り |
| 外国では日本の法律は効かない |
| 「国際法は神聖」ではなく、自分たちで創り利用していくもの |
| おわりに |
| 奥付 |
| 奥付 |