人生半ばを過ぎた男が過去にタイムスリップする不思議な物語である。若かりし頃、男は東京で青春を謳歌していた。いろいろな出会いを経て妻を得、子を成す。それまで職を転々としていたが、父から頼まれ喫茶店の雇われマスターとなる。ところが驚いたことにその店は父が愛人に買い与えたものだと分かり、失職。その後、男は嗅覚を働かせ、広がり始めたファミリーレストランに目をつける。埼玉に開いた店は大繁盛するも、似たような店が乱立し、経営は3年で立ち行かなくなる。店を手放してまた職を転々とする日々。時はバブル崩壊を挟んでのことで、一層苦労を重ねる。しかも4人の子供を得たものの、妻はアルコール依存症になり離婚を余儀なくされる。不幸にも別れた2週間後に彼女は他界。彼女の墓参りをするところまで再体験して現実に戻った男は、子供たちのために今日も、仕事に出る。一難去ってまた一難、その波乱万丈な人生を描く。そのなかで、男の運命を教えてくれるような、小瓶に入った不思議なチョコレートと出会う。
once upon a time |
チョコ |
生きる |
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