ルーベンスはフランドルの画家であるがどういうわけかドイツ生まれとなっている。それが何故かをこの巨匠の生い立ちと大成する人生の事跡をヨーロッパの都市を追ってその真髄を歴史ロマン風に時代の背景と共に追求した作品。ルーベンスはアントワープの生んだ画家であり、鋭敏かつ大胆な外交官であり、そして何よりもその人間関係の絶妙な距離感覚は日本人のそれに匹敵する。今更バロックと思われるが、織田信長が17世紀にその洗礼を受けたおかげで日本という国が現代に至るまで世界に伍して行けるのである。本書はネーデルランド、ドイツ、イタリア、フランス、スペイン、イギリスを縦横に活躍するルーベンスを通じてバロックの本質とルーベンスがかって求めた平和を現代に達成する契機になることを願って書かれたものです。
はじめ |
画家ルーベンスの時代 |
ルーベンスの父の物語 |
ルーベンス家の帰郷 |
フランドルの戦い |
ナッサウ家の人びと |
三十年戦争前夜 |
イタリアへの旅 |
ヴェニスのルーベンス |
ローマのルーベンス |
マントヴァのルーベンス |
フランドル絵画技法 |
ワッパー館のイサベラ |
スザンネの再婚 |
アントワープのルーベンス |
忍冬の葉蔭で |
ケルンのルーベンス |
外交への道筋 |
パリのルーベンス |
ラ・ロシェルの戦い |
マドリドのルーベンス |
ロンドンのルーベンス |
ルーベンスの再婚 |
ルーベンスの遺産 |
終りに バロックと現代 |
奥付 |
奥付 |