老沙門ヤサは急いでいた。夜通し歩いてきたのに、目の前に横たわるのは荒れ狂う河の流れであった。無理にも渡ろうとするヤサだったが、あえなく波に飲み込まれる。 河岸に流されたヤサを助けたのは、村人に追われていた一人の少女・・・。 ※2012年9月1日更新(ルビ体裁訂正)