読解 ・ 黄色い人


著: shiroa

読解 ・ 黄色い人

著:shiroa
状態 完成
最終更新日 2018年08月12日
ページ数 PDF:21ページ
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内容紹介

作家・遠藤周作には隠れた傑作が存在する。
 小説としては面白いのだが、物語の構成が複雑なために、全体像がつかめず、読後もすっ
きりとした気持ちになれない作品でした。
 読み返した際にもやはり同じ読後感だったため、いったんここで情報をまとめ、じっくり
読み説き、時間軸と人物の相関をまとめ、物語の全体像をあぶりだしました。

 漫然と読んでいたのではよくわからない主人公たちの行動、物語のくだりも、ささいな
情報も逃さずに読み起こしていくことで、穴だらけだった物語の概略が、確かな立体感を
もった一連のストーリーとして浮かび上がってきました。
よくわからなくても、そこそこ面白い小説でしたが(そこに含まれる主題が興味深く、
単発的にショッキングな内容を含んでいる)、それらが有機的につながることで、それぞ
れの主人公たちの行動、事件の背景がみえてきて、さらに新たな謎、それに対する答えも
見えてきました。

 このたび誰でも「黄色い人」が楽しめるように、どこよりも丁寧かつ親切なガイドを書
いていきたいと思います。マイナーな小説であり、簡単な解説しか書かれたことがない小
説でしょうから、恐らく唯一のガイドとなると思います。
 一部の知識人が楽しむにはもったいない、すぐれた小説でありながら、遠藤周作の初期
作品として未熟さ(狙いでもある)ゆえに万人への支持が得られなかった隠れた名作。

 稚拙ながらも遠藤周作への今までの敬意を表し、上梓いたします。

目次
○ はじめに
● 目次
○ 登場人物
○ 時間軸
○ ストーリーガイド (Ⅰ)
○ ストーリーガイド(Ⅱ)
○ アクトガイド
○ リドルガイド
○ おわりに ~~楽しみ方ガイド
○ おまけ ~~課題と押さえておきたい矛盾点
<付記>