清潔で、とても明るいところ


著: Rintaro

清潔で、とても明るいところ

著:Rintaro
状態 完成
最終更新日 2012年06月06日
ページ数 PDF:2ページ
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内容紹介

5月に生活環境が変わり、6月をむかえました。こちらの暮らしにも少しは慣れてきた、と言いたいところですが、すべてがうまく行っているとはなかなか言えなさそうです。これから自分がやること、今の生活、少し前の生活など、パラレルのラインで物事を見ているつもりですが、たった3つの歯車が合わないことがあるのですね、(もちろんその大きな歯車の下にはそれぞれ小さな歯車がいくつも組み込まれてはいるのですが)。僕は前向きな性格が取り柄なのでこの事態を悲観しようとは考えませんが、自分というものが、想像しなかったところで意外な反応をみせることを発見しました。

さて標題の「清潔で、とても明るいところ」は、ヘミングウェイの短編小説の題ですが、僕はこれを「清潔で、明るい場所」と勝手に呼んでいます。今これを書きながら時計を見ると、時計は午前1時半をさしています。今夜は淹れたカフェ・オ・レもなんだか腰が折れ枯れており美味しくありません。週末少し風邪気味だったこともあるのか、今日はあまり良くない一日でした。そんな、少し波に揺られる状況で、たまたま机の脇にあったユトリロの画集に一軒の家を見つけました。この絵は1911年に描かれた風車小屋のようですが、僕はこの風車小屋の内部を想像しました。一階には食事するテーブルとアトリエがあり、屋根裏にはベッドだけがある。家具は塗装が剥げ古いがきれいに手入れされていて、50年前のベッドリネンもきちんと洗濯されており肌触りが良い。部屋には必要な物しか存在しない。

そう、そこは何ら特別でない自分の場所であり、日常である。これこそが僕にとっての清潔で、明るい場所なのだ。

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