小説すばる新人賞二次選考までいった作品です。ヤクザに生まれてヤクザに生きるしかなかった靖男がある日組長から愛人の一人、ハルミを殺せと命じられ拳銃ひとつと金を持たされて旅に出る。ハルミがクラブ歌手として歌っていた店の店員、見るからに知恵が遅れているがピアノだけは天才的なうすばかのリョウをおまけに連れて。ハルミは何も知らず旅先に愛する組長が待つと信じている。さっさと仕事を終えて山にハルミを埋めるつもりだった靖男は、うっかり逃走に使う予定の車を崖下に落としてしまう。そこからバカだがヤクザにしかむいてなかった男とデブでブスだが歌だけはうまかった女、そしてろくにしゃべることもできないがピアノだけは天才肌な男、いかれた3人のゆくあてのない旅が始まった。やがて旅先でおこる事件が3人を徐々に近づけていく。家族の愛を知らない3人が、いびつな家族の形をとるようになったそのとき、ハルミがまだ生きていると知り組長から追手が…。愛というには悲しくて人生というのは意外と可笑しくて、愚かな大人たちの旅の終わりは…。
旅立つにはあまり理由はいらない |
旅にはお供が必要だということ |
新婚旅行は熱海がいいの |
熱海の夜、熱海の朝 |
カニを食う時はみな無言だ |
聞かせたい過去なんてつまらないものだ |
もうカニなんか食べない |
ヤバイ時には神戸 |
オペレッタ・サーカスライブIN神戸 |
独りだからさびしいわけではないのだ |
若頭来襲 |
おめえが埋めろ |
さよなら三角またきて四角 |
ばかやろうの天国 |
奥付 |
奥付 |