絶望の淵に立つ


著: kyousei7

絶望の淵に立つ

著:kyousei7
状態 完成
最終更新日 2012年05月18日
ページ数 PDF:1ページ
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内容紹介

 沢田真一は両親と弟の四人で幸せな幼少期を過ごしていた。事業が軌道に乗り仕事に精を出す父親、家庭を守る優しい母、かわいい弟。何不自由ない暮らしは人も羨む程だった。だが、次第に重い影が家族を覆い始める。父の事業が傾き出し、経済状態が急速に悪化し、幸せな家族の姿が崩れていく。借金に追われ逃げるように姿を消した母。二人の子供を施設に預け行方をくらます父。一家の崩壊が始まる。施設で弟と親が迎えに来るのを待つ真一。二年後、父が迎えに現れるが、それはさらなる悲劇の始まりだった。人生に絶望した父は二人の子を道連れに心中を試みる。だが、犠牲になったのは弟だけだった。父はそのまま刑務所に入れられ、真一はひとり施設に残ることになる。そして数年後、社会に出た真一はひとりの女性と出会い、結婚し子供を授かる。絶望の中から這い上がり幸せを手に入れた真一。その時、失った過去が真一の記憶のドアを叩く。そして真一は自分の過去と向き合い、人生を見つめ直すために家族の行方を探し始める。刑務所に入った父、逃げるように消えた母、そして死んでしまった弟。自分が残されたことの意味を探すために、失われた家族の行方を調べる。病に倒れ危篤状態の父との再会。そしてわかる母の行方と想い。弟の遺骨のある場所。すべてをひとつひとつ確かめていく中で知る自分の生きる意味。失われた家族とこれから築いていく家族の狭間で苦しみながら、光の射す場所を確かめる。
父と母と弟がひとつの場所で再会し、自分が生かされてきた意味を確かめた時、真一は人生の喜びを噛み締めるのだった。