あらすじ
東京 高円寺で小さなバーを開いているユウヤのもとに、数年ぶりに、兄から連絡があり、上京して来ると言う。
実は、ユウヤはこの兄のことがあまり得意ではなかった。小さい頃から、出来のいいこの兄に対して誇らしい気持ちと同時にコンプレックスを抱いていたのも確かだったし、今となっては、社会性に欠けたモラトリアムのダサい兄をバカにするようになっていた。
そしてユウヤは、久々に再会した兄にどことなく冷たく接してしまっていた。
兄が上京してきた日、店に来ていた常連客のユキが、飲みすぎて、ぐでんぐでんに酔い潰れてしまった。閉店後の狭い店に放置してゆくわけにもいかず、ユウヤは、店の近くの自分のアパートまで、ユキをおぶって帰った。自分のベットで横たわるユキの姿を見て、ユウヤは、自分がユキに抱いている淡い恋心に気づく。
「中央線カルチャー」とも呼ばれるサブカルチャーの発信地中央線沿線の町 高円寺で繰り広げられるささやかなお話し。忘れかけた情熱を呼び覚ましてくれる胸の熱くなる爽やかな青春小説。
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