『モニュメント・ヴァレーの消灯ラッパ』が出版されて8年近くになる。当初は、「オーダーメイド出版」という、予約者を募って出版する方式をとっての出版だった。しかし、当時の版も品切れとなり増刷の目処が立たないまま、オーダーメイド出版自体が消滅してしまった。
今、デジタル時代を迎え、紙という肉体を纏わなくても、本が出せる時代となった。「これだけの力作を残しておかない手はない」というわけで、デジタル版の発行に踏み見切った次第だ。
ともかく大変な労作である。安易な映画評なら誰でも書けるだろうが、ジョン・フォード西部劇に携わった人たち、撮影現場をここまで追いかけた作品は他にないだろう。今、この作品を電子図書という土俵で作り直すにあたり、紙の本では、製作費という障害があって出来なかったカラー写真も豊富に盛り込み、あらたな『モニュメント・ヴァレーの消灯ラッパ』が誕生した。
はじめに |
デジタル版の発行にあたって |
モニュメント・ヴァレーはいずこに? |
グールディング夫妻の苦闘 |
『駅馬車』がモニュメント・ヴァレーを走り抜けた |
『駅馬車』はアメリカ映画の金字塔 |
ジョン・フォードの軍隊経験 |
人間味豊かな『荒野の決闘』 |
アメリカ西部とアイルランドと・・・ |
『アパッチ砦』・・・敗北の中の栄光 |
『黄色いリボン』…共同体の復活 |
『幌馬車』はモアブへ進む |
『リオ・グランデの砦』・・・郷愁のアイルランド |
ジョン・フォードの長い道のり |
至福のアイルランド |
コング村の散策 |
モーリン・オハラが歩いた野原 |
寂しげなキャッスルタウン駅 |
昔の影よ今いずこ |
ジョン・フォードの苦い勝利 |
Side Story 1 “もうひとりのジョン・ウェイン”の死 |
Side Story 1 コング村で出会った人たち |
アーゴシー・プロを離れて |
孤高の『捜索者』 イーサン・エドワーズ |
『捜索者』が切り取った西部開拓史の一断面 |
『騎兵隊』は無事に帰還したか? |
足踏みする『バファロー大隊』 |
しのびよる西部の残照 |
『シャイアン』の壮大な落日 |
Side Story 2 フォード映画のヒーロー、ヒロインたち |
衰退する西部劇 |
ジョン・フォードを追った男たち |
ジョン・フォード・テリトリーへの旅 |
変節するモニュメント・ヴァレー |
不屈のアイリッシュ・スピリット |
さらば、西部劇!? |
Side Story 3 ハリー・ケリー・ジュニア訪問記 |
ジョン・フォード作品の挿入曲 |
主な参考文献 |
著者紹介/奥付 |