幻想奇譚集『インキュナブラ』。その公表へのいきさつと代理人Grasshouseによる「序」、および、短編群の中の一編『干し首』。前世紀のある年の晩春、われわれの同人誌に、「廃屋のシェヘラザード、シビラＥ」と称する一人の少女から分厚い原稿が送られてきた。それらは前後の脈絡もなく書かれた短編群であり、掲載の是非を巡って論議された。……『インキュナブラ』の残された原稿、欠損原稿を整理しつつ、ひとつひとつの中短編・掌編の再生を試み、順次公開の予定です。