筆降ろしがうまくいかず、悶々とする高3男子・貴宏は、18歳の夏休み、父親の働く漁船に乗り、二週間を過ごす。ある夜、漁師仲間の山さんによってもたらされた、エイという生命の神秘と、花園への誘い(いざない)。とんでもない過ちを犯してしまったことに対する後悔や自責の念、罪悪感、雑念といった、10代特有の様々な感情に生け捕りにされながらも、一度発見してしまった歓喜と渇望の方向へ、彼はズブズブとのめり込んでゆく。一夏の経験を通じて、「ありのままの正直な自分と共に歩むことの美しさ」を、自分なりに少しずつ理解していく姿を、非常に読みづらい文体でネチネチと書き上げた青春短編小説。
凡庸な無自覚 |
能天気な夏 |
ある夜 |
山さんとエイ |
後悔と、罪悪感と、歓喜と、渇望 |
エイの少年 |