悪童たちと先生


著: DEP

悪童たちと先生

著: DEP
状態 完成
最終更新日 2012年02月14日
ページ数 PDF:286ページ
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内容紹介

昭和三十年代に入ると、経済は次第に復興し、高度成長時代の幕開けを迎えて、日本中が沸き立ち始めていた。その反面、水俣病が発生するなど、日本各地で醜悪な公害もまた噴出し始めていた。
人の営みに金は必要であり、日本が大国になるには、経済が重要であったのは事実だ。
だが我々は、この美しくて、豊かな恵みをもたらす大自然を、経済発展の名の下に破壊しつくして、いや、人の心さえ置き去りにして、何が残ったのだろうか。
この物語は、この貧しさと豊かさの狭間で、多感な年頃を生きる子供たちと先生、そして、それを取り巻く大自然を書いたものである。
しかし、私には四十年も前の、楽しい回想録を書くつもりは全くなかった。
嘗て、この国が葦原中国の時代には「植物も岩石も言葉を話し、夜は炎のようにざわめき立ち、昼はサバエが沸くように沸騰する世界があった。・・・岩や木、水までもが喜怒哀楽の感情をあらわにし、生き生きと動いていた」(谷川健一「日本の神々」)のである。
いまは封印されてしまった、これら可畏(かしこ)き神々の現代の呟きを、子供たちの姿を借りて聞いてみたかったのである。
私は何もしないで、子供たちが動き回り、話し掛けてくるのを、ただ黙って書き留めただけである。(著者の想い)

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奥付
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