大杉栄を書く


著: 本多敬

大杉栄を書く

著: 本多敬
販売価格:100円 (税抜)
状態 完成
最終更新日 2012年02月14日
ページ数 PDF:23ページ
内容紹介

私が参加した、イラク爆撃に抗議したダブリンの反戦運動、ロンドンG20開催に反対したアンチグローバリズムの運動、東京発反原発デモは、それぞれ、<器官なき身体>における政治的実践であった。理性の能力を占拠した想像力の侵犯、媒介なき群集の力、全体性なき過程、そのノイズ的行進。

小説の最後は、大杉栄の言葉を書いたー

市民社会の思想を、マルクスが措定した欲望の交換関係と混同してもらっては困る。僕が考えているのは、相互関係、互酬的な依存のことだ。この「依存」という概念は、物質的な次元における関わりから、鳥がひなを抱くように、モラルを抱くイメージとして思い描くことができるだけでなく、平等な相互関係のあり方を喚起させるだろう。と同時に、それは、政治的なものだ。僕が目撃したのは、自分達と直接かかわりがない事柄に同情と憤りを感じて、パリ街頭に繰り出した十万の人々である。民族と言葉の違いを乗り越えて、一人一人が抵抗の主体となり、一緒にパリの街頭、いや世界史の街頭を歩いた。権力が自己正当化する麻痺してしまった神話を爆発させるためにね。そうさ、精神そのものの爆発だった。たとえ、戦争を止めさせる事に失敗したとしても、未来に於ける飛躍のために、市民社会の歴史を創る、画期的な第一歩だった。これが、僕が見た十万のふくろうねこだったのだ。将来において必ず、国家の境界を超えて、世界中の都市で、人々が同時に自発的に行動を起こすことになるだろう。精神の行進が目撃されることとなるだろう。思想に自由あれ。しかしまた行為にも自由あれ。そして更にはまた動機にも自由あれ。




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