複雑な家庭環境のもと、野良犬のように育った、高校二年生の「俺」。
サッカー部でのトラブルから、停学処分を受けて以来、出席日数をかせぐためだけに、「保健室登校」という名の、一人きりの学校生活を送っている。
「俺」は、ある日、川のほとりの、かつては「親水公園」だった、今や不法投棄のゴミの山にうまりそうな池で、一人の少年と出会う。
少年の名は、ハヤト。小学四年生。色白で線の細い、女の子のような顔立ち。
池に沈んだ何かを探しているという、ハヤトと知りあった「俺」は、不登校になったらしい、ハヤトの「強くなりたい」という切実な願いを受けて、「ケンカの仕方」を教えることになる。
そして、「俺」とハヤト、世界からドロップアウトした二人の、奇妙な絆が芽生えてくる。
一方、学校の図書室や、情報室でひまをつぶす「俺」は、PCのメール送信エラーで始まった、「MYU」と名乗る同じ学校の女子と、メールのやり取りをかわしている。
お互いの正体は知らなくても、そのときだけが、「俺」にとって、学校にいる意味を、感じられるひとときだった。
1 俺とパブロフと、乱闘サッカー |
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STRAY 1 |
俺とパブロフと、乱闘サッカー |
STRAY 2 |
停学生は、ゴミの池で。 |
WILD WORLD |
STRAY 3 |
電子の糸 |
偏った値のランキング |
STRAY 4 |
「普通」の生徒 |
夜の鏡 |
STRAY 5 |
草笛 |
しりたくないこと |
図書館にて |
STRAY 6 |
雪の子犬 |
DOG'S BOG |
STRAY 7 |