お母さんが用意してくれた、新しい布巾。
お父さんは嬉しくて、毎日テーブルを拭く。
子どもたちのこぼした、水もふいた。お茶もふいた。しょうゆも、ソースも拭いた。
使っているうち、だんだん汚れてくる布巾を見て、お父さんはなんだか悲しくなる。
テーブルの上におかれた、布巾を見て腕組みして考える。
そのうち、お父さんには、色のしみた布巾がきれいに光っているように思えて来た。
ふきんは「だいぶ金になった」「ダイブキンになった」お父さんは元気が出た。
そういえば、子どもたちもいつの間にか大きくなり、だいぶ金になっていた。