8歳違いの異父姉妹・楓(かえで)と菖(あやめ)。
亡き母の遺品整理のために懐かしい山荘を訪れた二人は屋根裏部屋のトランクの中に、5通の手紙を発見する。宛先が「天国」となっているその手紙は、母がこよなく愛した人々への哀惜の手紙だった。「私たちの知らないお母さんがいっぱいいる」――姉妹の心を結びつけた5通の手紙は一人の女性の昭和史でもある。
愛を受け入れ、たくましく人生を歩もうとする菖。愛をひろげていこうとする楓。ひっそりと二人を待っていた6通目の手紙とは?
児童文学作家・さとうまきこが、初めて大人向けの小説に挑戦!